お羊雑記 ‐哲学とIT‐

元哲学専攻のIT企業に勤めるうだつの上がらない営業の徒然なる日記

「オー!ファザー」 読み返したら 父が4人欲しくなった

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 守られた中の遊びで教師も親も大した敵ではない、刃向かっているのは単なる甘えだ!どうも大羊山です。

 高校生の時ぶりに読み返しました。「オー!ファザー」。好きです。何が?書きます。

概要

 一人の普通の高校生である由起夫に父親が4人いるというお話ですね。その父親は、熱血漢、インテリ、ばくち打ち、チャラ男という個性豊かな顔ぶりで、その中での由起夫の成長の物語です。

感想

 伊坂先生のすごいところは、こんな非現実的な設定をつくっておいて、父親は目立たせず、あくまで由起夫にフォーカスして現実的な日常の中の些細であり、とんでもない奇跡を演出するところですよね。何でもない町に、父親が4人いるある高校生の何でもない日常の中で起こる父親が4人いることとは関係ないとんでもない奇跡が大好きなんです。その奇跡とはもちろんクライマックスのヒーローのシーンなのですが、日常生活でも父親とは関係ないところで不思議なことに巻き込まれる由起夫が父親達の助言を得ながら乗り越えていくというなんとも地味なもの何ですが、その父親が四人いなきゃ絶対に乗り越えられないものになっていてそこにも奇跡を感じずにはいられません。この「魔王」や「モダンタイムズ」にも言えることなんですが、壮大な設定を壮大にからぶらせて、日常的な奇跡を演出するこの感じが好きなんです。これを伝える文章力が欲しいです。

 

 あと父親達とのあの何気ない会話ですよね。その何気ない会話が後に、由起夫に対する大切な助言だったんだと気づかされる箇所も多くてそのたびに由起夫がうらやましく感じます。一度に4つの全く異なる方向からの自分の人生に対する助言を受けて育つ由起夫のその後がとても気になります。続編でないかなあ。とにかく好きなんです。

 

私のこの意味の分からない文章を読んで読みたくなる方はいないと思いますが、父親からは気づかないうちに色々な事を教わっていることを教わる作品です。是非!!